私も当てはまるところではあるのですが世の中には本人は事の流れを説明してあるつもりでも実際は話している相手に何がどうなっているか伝わっていない、いわゆる「言葉の足りない人」というのがいます。
この傾向が実に強いのが現在、マンハッタンでブイブイ言わしているフルコンタクト寿司シェフ道姓ちゃん、すなわち銀幕腕十字でもお馴染み、自称タイガーマスクです。
道姓ちゃんと話したりメールのやりとりをしていると、あたかも20ページ毎に1ページほど落丁している推理小説を読んでいるかのような釈然としない気分になることが多々あるのです。
1, 2, 3をトバシて4を言ったから5を理解しろというスリリングさ(笑)。
こいつはこれまでの人生で恋をした一瞬後に告白してきたタイプだな(笑)。
という訳でその道姓ちゃんから一昨日の金曜日、私のケータイの留守録にメッセージが入っていました。
ヤツは現在、ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミーの門下生ですが、今週土曜日にトーナメントに出るそうです。
「これ聞いたらコールバックしてください」との結びでメッセージは終わってました。
しかし、私がこれを聞いて電話できる状態となったのはニューヨーク時間の深夜というよりも丑三つ時だったので、寝てるところを起こすのは悪いと思い、健闘を祈る旨のメッセージをEメールで送っておきました。
さて、私が昨日の朝5:30の目覚ましで起きて我がiMacを立ち上げメールボックスを見てみると道姓ちゃんから一件、入っており、
「起きたらニューヨーク時間の午後3時以降やったら何時でもかまへんから電話ください」
とのこと。
冬時間の日本の朝っぱら5:30は、ニューヨークの前日午後3:30。
電話してみると、柔術のトーナメントの話しはあからさまに前フリで、
「今、藤波のこと好きな女のヒトがいるんでドラゴン呼吸、聞かせたってください」
とのこと。
「ああ!? 今? ちっと練習させてくれ」
通話の相手と機嫌の善し悪しによっては即座に切っちまうところですが(笑)岸和田の大いなる馬鹿からのリクエストとなれば、そりゃベストを尽くしますよ、あたしゃあ。
送話口を手で覆いリハーサルしました。生まれて初めての寝起きドラゴン呼吸です。
しかし! 全然、ダメ!
寝起きではマジでダメらしい。
うがいしたり咳払いしたりと努力したのですがどうにも満足がいきません。
しょうがないので道姓ちゃんに伝えました。
「すまねえが寝起きじゃ無理だ。調子が出てきたらまた電話すっから」
そして朝飯を食って、歯ぁ磨いて、再度ドラゴン呼吸。
しかしダメ。全然なってない。人様に聞かせるレベルにほど遠し。
しょうがないので出勤寸前にヤツに電話しました。
「マジで無理だ。寝起きじゃダメらしい。調子よくなったらオメーのケータイの留守録に吹き込んどくから、それを聞かしたってくれや」
しかしながら、あの男は件の女性にiPhoneを渡しました。
私よりもほぼ明らかに年上と思われる件の女性に私は「今現在、日本は朝の5時半でして、寝起きで藤波さんの呼吸はどうにも上手く行きませんで」と詫びました。
藤波を好きだと言う女性に100点満点で30点以下赤点のドラゴン呼吸を聞かせる訳には行きません。
ダメなヤツを聞かせるよりは丁重に辞退する方が道姓ちゃんの顔を立てることになるでしょう。
かの女性の「楽しみにしてますね」の声に頑張りますと答えて電話を切り出勤した訳ですな、俺は。
そんで、車を出したところでまたケータイが鳴りました。当然、道姓ちゃんからです。
一瞬、無視しようかと思いましたが(笑)律儀にとると、今度は藤波ファンのオジさんが出ました。
私は丁寧に「え〜っとですね、道姓くんのムチャ振りはいつものこととはいえ、今回は寝起きでホントにダメでして、しかもワタクシ今、運転中なんです」と詫びると、「え〜、運転中なの」と軽く驚かれた後にまた道姓ちゃんが出ました。
俺はかの女性とオジさんは道姓ちゃんの職場のマンハッタンの日本食屋で働いているお姉さんと板さんだと思ったのですが、ヤツは奥さんも何たらかんたらと言うので、ニュージャージーの日本人キリスト教会の牧師夫妻か何かだろうかと訝りました。
そして通話に戻った道姓ちゃんと俺の話しは以下のように続きます。
「奥さんも楽しみにしてる、言うてはるし(中略)、スリートーンが出来へんくても本人とお話が・・・」
「ちょっと待て、今の藤波か?」
「そうですよ」
「藤波本人か?」
「そうですよ」
「んじゃ、今の伽織夫人か?」
「そうですよ」
「おめえは何で先に言わねえんだよ!ちっと練習させろ。へへへ、へへへ、へへへ、へへへ」
(奇跡の成功! これはイケル!)
「出せ出せ! 藤波、出せ! 今、出せ!」
(もしもここで一回、区切って再スタートしたらまたダメダメドラゴン呼吸になってしまう恐れがあるので藤波本人が再度、電話に出てくれるまでノンストップで続行!
「・・・へへへ、へへへ、へへへ、へへへ・・・」
「俺、そんな風に息してる?」
「はい」
「やっぱり、こういうのは電話じゃなくて実際に聞かせてもらわないと伝わらないよね」
「機会あらば、ぜひ! IGFの打ち上げなどで御一緒する機会があれば!」
iPhoneが道性ちゃんに戻り私が訊いた質問、
「藤波夫妻は今、ニューヨークでいってえ何やってんだ?」という質問に対して、
「お買い物です」
と答えた道姓ちゃんの憎めない天然大バカっぷりは伝わるでしょ(笑)。
そして、「スリートーンのあなたへ」というタイトルで今朝、道姓ちゃんから届いていた写真はこちら。
曰く、「三本指はスリートーンの三本指よ!!」
ニューヨークの地下鉄のホームでしょう。
おめえにゃ、フィラデルフィアで次、会った時も「また」、「いつも通りに」、メシ奢るぜ(笑)。
Oh, my God, I can't thank you enough for giving me the greatestest friends!

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