今回は洋画といっても、お隣の韓国の映画です。
本国では2003年、日本では2004年、アメリカでは2005年に公開された"Oldboy"は国際的な大成功を収め、監督・スティーブン・スピルバーグ、主演・ウィル・スミスでのハリウッド版リメイクの制作も予定されています。
ある日、突然、誘拐された一般人が15年間に渡って監禁され、また突然、解放された後に、自分がそんな目にあった理由の究明と復讐に奔走する話しで、主演は私が個人的に「韓国の役所広司」のような位置にいると思っているチェ・ミンシク。
私はこの映画をフィラデルフィアのレンタル屋で借りて観ましたが、インターナショナル・ムービーとしては最近ではかなりメジャーな作品なので全米の殆どのレンタル屋に置いてあると思います。
作中、一度、見たら絶対に忘れられない、主人公が「バリバリに生きてる蛸を喰らう」シーンがあります。
主人公が一人で入った寿司屋でのシーンです。
私の記憶だと寿司職人が「今日はこんなのありますけど」みたいなカンジで生きてる蛸を丸ごと見せると主人公がガシっと掴んでそのまま食べ始まってしまう。
「食べる」というより、まさしく「喰らう」。
しかも頭から口に入れてモグモグ・バリバリと噛みまくり、口から外にはみ出した足がクネクネと主人公の顔面に絡み付きます。
これを正面からのアップで延々と見せるのですが、私の記憶の中のイメージではCGは一切、使ってないと思います。
いくらなんでも、こりゃCGだろ、と思いながら観ていたのですが、あれは役者の凄まじいプロ根性で成立した「アナログ」な咀嚼シーンだと思います。
しかし「洋画における日本食」として紹介するのは、このシーンではなく、この「蛸の踊り噛みちぎり」の舞台となった寿司屋のネタケースです。
この店はパッと見、日本の寿司屋と殆ど同じなのですがネタケースの中身が決定的に違います。
どう違うかというと、陳列されているネタの形状が全て、かき身/すき身、ないしはchunkなのです。
普通、日本の寿司屋では海老や貝類以外の魚のネタは英語で言うfilletの状態でケースの中に陳列されます。
種類ごとにネタ皿を使う場合でも大振りの角皿に数種類を乗せる場合でも、鮪や鮭のような大きい魚は柵、鯖やスズキは半身、平目や鯛は四分一、穴子は一本、などという風に、切り付けしない限りは「細長い形状」でネタケースに収められます。
しかし、"Oldboy"の寿司屋のネタは全て、スジの入ったところのかき身、回転寿司やコンビニのネギトロ巻きに使われる、仕入れの時点でかき身になっている真空パックの中身、あるいは細切り、あるいはブツ切り、の状態で、色は違えど形状に変化はありません。
例えて言えば、イタリアン・ジェラートのショーケースのようです(笑)。
「韓国のちらし寿司」として紹介されることの多いHwedup Bapに使われる魚貝類は、かき身か細切りか半端ネタですが、あのシーンの寿司屋はあたかもHwedup Bapと巻物の専門店のようなネタケースでした。
あの映画を観た時に、そのうち韓国に行く機会があれば寿司屋に入ってみたいものだと思ったのですが、今夏7月に行った時は結局、純然たる韓国料理ばかり食べました。
そして街中に、日本でトンカツ屋の看板に豚、ステーキ屋の看板に牛、焼き鳥屋の看板にニワトリのイラストが使われているのと同じノリで「蛸の鉄板焼き」を扱っている店の看板の蛸のイラストがやたらと目につきました。
蛸の鉄板焼きは美味しく、とても赤かった(笑)。
ちなみにWikiを開いて初めて知ったのですが、この映画の原作は日本の漫画だそうで、しかも原作者が土屋ガロンという狩撫麻礼の別名義です。
狩撫麻礼(Caribu Marley)というカリブ海のボブ・マーレーを愛してやまぬ人は傑作「ボーダー」の原作者で、「ボーダー」連載中にブルーハーツの音楽に触れて衝撃を受け、ブルーハーツの曲の歌詞だけで単行本一冊分、書いてしまったようなファンタスティックな無頼漢です。
「ボーダー」の主人公がタクシーのカーステから流れる「リンダリンダ」を聞いて天啓の如き大いなるショックを受け覚醒するシーンはマジでいいぜえ。

そうです。確かに原作はマンガですね。
私は、ブックオフで何気なく手にとって、すっかり引き込まれてしまいました。そして、家内も!
残念ながら、まだ映画は観ていません。
今度、借りてみようと思います。
投稿情報: オーハ | 2010/09/03 17:12
私はまた、オーハさんは、あの昭和テイスト溢れる店で読破したのかと思いました(笑)。
原作と映画では監禁された理由が違うそうです。
日本もそうですが、韓国映画のヴァイオレンスは行く時はとことん行くのでご家族と観る時は配慮が必要かと思われます。
しっかし、狩撫麻礼の原作がハリウッドで、しかもスピルバーグ&ウィル・スミスなどという超メジャーな作品として映画化されるとはマジで感慨深いです。
投稿情報: たしん | 2010/09/03 17:48