原作を読んで以来、劇場公開を楽しみにしていた「オカンの嫁入り」を観てきました。
私が読んだ原作は、母・大竹しのぶ、娘・宮崎あおいの写真とともに「今秋全国劇場公開」と帯装幀された文庫本なので、どうしても他のキャラクターを誰が演じるかに想いを巡らしながら読むことになります。
そして、母親が冒頭で「お土産だぞーい」と連れ帰ってきて結婚を宣言する、ひとまわり以上、年下の金髪リーゼントの「なんちゃってジェームス・ディーン」にピッタリの役者は思い浮かばなかったので誰が演じるのか楽しみにしていたのですが、観終わってみれば桐谷健太という飛び道具は、これ以上ないハマり役でした。
考え得る限り最高の人選だと思います。
主要登場人物の中では主演の母子の大竹しのぶと宮崎あおいだけが東京出身で他は全員、関西育ちです。
原作が本当にコテコテの大阪弁文学だったので、映画版がニセ大阪弁で台無しにならぬか心配だったのですが、(認定者に「そんなん、やった覚えない」と言われる)私の「なんちゃって大阪弁黒帯」の耳(笑)には至極、自然に聞こえました。
最近、関西人と直接、話しをする機会がないので、「ジャコ、炊いたん、食べるか?」などというリアルな大阪言語は嬉しいばかりです。
作中、「東京人」は一人だけ登場しますが、関西圏では一昨日の劇場公開初日以降、毎日、数千人の人達が、「やっぱり東京モンは最悪や」と言い続けることでしょう(笑)。
私は桐谷健太が演じた「ケンちゃん」のお爺ちゃんを非常に楽しみにしており、特に板前のお爺ちゃんが小料理屋で、「命をもろうて食べるんやから」と必ず魚をサバく前に両手を合わせるシーンを楽しみにしていたのですが、このお爺ちゃん自体が映画版では「ないこと」になっており非常にガッカリしました。
このお爺ちゃんのシーンと、宮崎あおい演じる娘が生まれる前から25年以上に渡って母子の支えになってきている大家のオバチャンと母親の出会いのシーンはぜひとも見たかったのに、削られてしまっていて非常に残念です。
脚本も手掛けた呉美保監督は何故に削ってしまったのだろう。
どちらのシーンも私は出先で読んでて泣けてきてしまったので、とっとと帰って読み直したのに。
原作を読まずに観れば、もっと楽しめたのだろうけど、何の前知識もなく観たとしても相当、感動していたことと思います。
私が日本映画はこうあってほしい、と望むタイプの、とにかくテレビドラマには出し得ない綺麗な絵の映画でした。
しかし、映画の善し悪しはどうあれ、私はこの作品を海外に、特にアメリカに出してほしくはありません。
何故かというと、日本という国が、良識ある立派な大人が、連れがまだ食べている最中の食事の席で平気で煙草を吸い始める、卑しいマナー発展途上国であると蔑まれるのは勘弁してほしいから。

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