ニコラス・ケイジのことを書いたばかりですが、「フィラデルフィアを舞台にした映画」の13本目はニコラス・ケイジとMatthew Modine主演の1984年度作品、"Birdy"です。
名匠、Alan Parker師匠の作品。
20年近く前にビデオで観たので細部まで憶えてはいないのですがアラン・パーカー監督の作品らしく「生きるということ」というテーマが一貫しています。
幼馴染みの若者ふたり、ニコラス・ケイジとMatthew Modineのベトナム戦争への出征前/帰還後の友情の物語ですが、Matthew Modineは幼少時からの鳥のように大空を飛びたいという願いがベトナムからの帰還後に「自分は鳥である」という状態にドラスティックに変化し一般社会生活に支障をきたすどころか周りの人間とコミュニケーションを取ることが一切、出来なくなります。
そして、親友を気遣うニコラス・ケイジも、いわゆるキレやすい短気さによってトラブルに満ちた生活を送っている、というカンジのストーリーだったと思います。
鳥になり切ったMatthew Modineが素っ裸で窓の外の空を見つめ首を小刻みに動かしながら喉を鳴らすシーンや、(多分、ケンカで)顔面を包帯グルグル巻きにしたニコラス・ケイジの軍服姿などが強く印象に残っていますが、一番、強烈に脳裏に焼きついたのは「犬解体工場」のシーンです。
フィラデルフィアに限らずアメリカに限らず、どこにでも転がっている都市伝説のようなもので、飲食店で犬や猫の肉が使われているという噂を誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。
アメリカでは特に大都市のチャイナタウンがネタになります。
そして、その手の噂には野犬や野良猫を飲食店に卸す闇の業者の存在が付随することもあります。
私はこの手の都市伝説をフィラデルフィアに引っ越してから割とすぐに聞いたのですが、"Birdy"でモロに「野良犬を捕まえて解体して食肉にする業者」と、その解体工場がフィラデルフィア南部のジャンクヤードのようなところで描かれているのを目の当たりにすると、「何の根拠もなしに、映画にこういうシーンが出てくるだろうか?」と訝りました(笑)。
ちなみに私が長いこと働いていた日本食レストランの大将と私はフィラデルフィアのチャイナタウンで何百回いっしょにメシを食ったか知れませんが、大将がチャイナタウンで牛肉の料理を頼むことはまずありません。
「チャイナタウンのビーフって、たまに、これ絶対、ビーフじゃねえだろってのが出てくること、あるだろ。俺はあれ、犬だと思うんだよな」というのが理由で、確かに「これはビーフじゃねえべや」と思わざるをえないビーフというのは存在します(笑)。
それでも私はビーフの料理をオーダーする方なので、たまに私達のテーブルではこのような会話が取り交わされます。
「それ、ビーフか?」
「犬でしょ」
実際、我々は実に生々しく怪しいネタをふたつ持っています。両方とも犬ではなく猫。ここから先は読んで後悔する人も出てくることでしょう。
一度目は深夜のチャイナタウンで、行きつけの店の店内に、ふくよかな白い猫が一匹、現れました。
当時いっしょに働いていた先輩の奥さんが「可愛い〜」とか言ってたらマネージャーが「あげるよ」と言う。
大概、人間というのは猫と犬は小さいうちに飼いたがるものですが先輩の奥さんは太っ腹な人で、その場で先輩と協議の結果、もらって帰ることに決定しました。
しかし、ひとつ物凄く引っかかるのがマネージャーの一言で、彼はこう言ったのです。
"It's a good cat because it's big and fat."
普通、ペットとして飼う猫のことを大きくて太ってるからいい猫だって言う(笑)?
マネージャーの言葉を意訳すると「脂が乗ってて」とかいう方向に行くと皆が思った訳ですよ(笑)。
そして、もうひとつはかなり凄いネタなのでアメリカのチャイニーズ・レストランに行けなくなる人も出るかもしれない。
随分前の話しですが、私の職場にチャイニーズの団体が食事に来た時、一人の女性がハンドバッグに子猫を入れて連れてきていたそうです。
本当はそういうのは困る訳ですが、その女性に「この子は静かだしバッグからは絶対に出さないから許して」と懇願されて、そのテーブルの係のウェイトレスの日本人の女の子は目をつぶった訳です。
そして「私もこんな可愛い子猫ちゃん、ほしいなあ」と言ったら、子猫持ち込み女性のボーイフレンドに「じゃあ、一匹あげるよ」と言われて話しはトントン拍子に進み、ウェイトレスの女の子は一緒に住んでいるボーイフレンド/店の若い衆とともに後日、指定された場所に行ってみたのですが、そこは何故かチャイニーズ・レストラン(笑)。
「一匹あげるよ男」はその店の従業員で、私の同僚二人は地下に案内されたそうです。ちなみにアメリカの建物には商業建築物、一般家屋に関わらず、ほぼ100%、地下室が存在します。
そして地下室には床から天上までを覆って鉄製のケージが設置されており、おびただしい数の猫ちゃん達がミャーミャー言ってたそうです。
「一匹あげるよ男」に「好きなの選んで」と言われた私の同僚ふたりはお言葉に甘えて一匹、選んで連れて帰ったのですが、若い衆は私に「あれは絶対にペットとしての猫を飼ってる雰囲気じゃなかったですよ」と力説しました。
そして、この二人がこのチャイニーズ・レストランに後日、食事に赴き、地下に行ってみようとしたら、早口のチャイニーズで滅茶苦茶、怒られたそうです(笑)。
「あれはマジで滅茶苦茶、怪しいですよ」とは若い衆の弁。
この話しはその後、深夜のチャイナタウンで飲みながらM吉というダチにそっくりそのまま、してやったことがあるのですが、驚きまくったM吉に「だって、そんなの、例えば何の料理に使うのよ!?」と訊かれた私が、「まあ、挽き肉だろうな。餃子とかよ」と答えたら、M吉は頬張ったばかりの餃子を丸ごと吐き出しました(笑)。あの顔は忘れられません(笑)。
ちなみにお店は両方とも随分前になくなっています。もう存在しません。
フィラデルフィアのチャイナタウンでの数百回に渡る食事の最中に一体、何度、"Birdy"を思い出したか知れません(笑)。
この手のネタは単なる噂ではないレベルで色々とあるので、オフラインで食事を御一緒する時にでも私にねだってください(笑)。
ビーフと餃子をツマミにビールでも飲りながらお話しましょう(笑)。
私は一応、TPOをわきまえてる人間なので、ねだられない限りは話しませんから。
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