前々から日本の総合格闘技界もUFCによって世界規準となったケージを試合場として導入すべきか、それともリングに固執すべきか、という論議は成されてきました。
そして4月の青木ショックと先週のDREAM 14のケージでの開催の流れで、この問題は日本の格闘技ファンにとっての時事ネタになっていることになっています。
何故、「なっていることになっている」というイヤらしい言い方をするかと言うと、この「リング、ケージ論争」というのはメディアが煽っているほど、格闘技ファンは熱心に語っておらず、ネット上でも格闘技メディアが言う「熱い論争」というほどのマトモな意見交換は行われていないから。
ファンが自分達で考えて楽しむテーマをメディアが投げかけて煽るのはいいことですが、ファンは「リングかケージか」の問題を格闘技メディアが泡を飛ばしながら語る「黒船問題」ほど思い事柄としては認識しておらず、むしろメディアの煽りによって、そういう大事(おおごと)として熟考しなければいけないのだろうか、と戸惑っていると思います。
だって黒船も何も、UFCが日本でイベント開催ということにでもなれば、日本の格闘技ファンは間違いなく「生のUFC! やったあ! 万歳!」と大喜びするもの(笑)。
という訳で、リングとケージ、日本の総合格闘技はどちらで行くべきなのか、について私の意見を申し述べるならば、ケージです。
理由は順に述べますが、まず第一に格闘技の試合はレフェリーの匙加減がないほど良いから。
言い換えれば、試合は出来る限りレフェリーに作らせないのが好ましい。
よって、ロープ際の攻防で、足が出た/手が出た/落ちそうになった/ロープを掴んだなどの展開での「ストップ・ドント・ムーブ」や「ブレイク・アンド・スタンドアップ」は無いほど良い。
ケージだと膠着ブレイクはあるけど、上記のレフェリーの采配による中断は極端に少なくなります。
単純に流れが止まらないからいい、ということよりも、統一性のないレフェリーの指示の匙加減の介入が少ないから理想的なのです。
ケージならば、タックルを仕掛けられた選手が倒されないためにロープを掴んで、レフェリーがブレイクを命じ、スタンド再開、という「タックル行き損」の展開もなくなります。
次に「観やすさ/観づらさ」。
とかく、ケージは試合が観づらいからリングの方がいい、と言われますが、だったら私は言いたい。
UFCの本戦ナンバーシリーズは常に10,000から20,000人収容の大会場でやってて殆ど毎回、ソールドアウトなのは何故?と。
一回、行って凄く観づらかったら、もう行かないよ(笑)。
大会場になるほど場内モニターで試合を観る割合が高くなるのはリングもケージも同じこと。ケージだから観にくいという理屈は通りません。
UFCは常に場内モニターを6基、設置しており、先月のモントリオール大会では計10面のモニターという観戦環境を作り出しました。
それに比べれば先日のDREAM 14の、入場ゲート上に大モニターひとつと向かい側に中モニターひとつの計二つ使用ではゲート/大モニターとケージの間に座っていたリングサイド席の人達にとっては観づらかったと察します。
ケージ上部のリムの部分のパッドは確かに邪魔ですが今後の改善の余地はあるでしょう。すなわち体積を小さくすることは可能だと思われます。
そして最後に「他競技との差別化」という点でケージを歓迎したいと思います。
新日本プロレスの中邑真輔選手のインタビューによると、タクシーに乗って運転手さんに「いい体してますね」と言われ、「プロレスラーなんです」と答えると、今だに(!)「猪木の方? 馬場の方?」と訊かれるのだそうです(笑)。
私の知り合いで言えば、去年の秋、TBSが亀田戦とDREAMの抱き合わせの小判鮫番組を放送した時に3時間、通して見たという年配の御夫婦と後日、話した時に「え、亀田の後にやってたの、K-1じゃないの?」と言われました(笑)。
格闘技が好きなのですか?と訊かれて肯定すると、「自分も昔、ゴールデンタイムでやってた頃は毎週、見てて、、、、、」とプロレスの話しを始める人も沢山います。どのぐらい沢山かというと禁煙席を設けていやがんねえラーメン屋と同じぐらい。
要は、一般人にとっちゃリングの上でやってることは、みんな一緒なのよ、ぶっちゃけ(笑)。
ボクシング、キックボクシング、K-1、プロレス、総合、グラップリング、シュートボクシング、どれもこれも一般人にとってはプロレスかボクシングな訳だ、つまるところ。
これははっきり言ってこれからも変わることはないと断言できますが、だったらケージ導入は他との差別化、あるいは総合格闘技の一本立ちという意味において歓迎すべきではなかろうか。
そのうち、「あー、金網のね」と認知され始まることは間違いありません。それにリングとケージの違いに気がつかないような高齢者を中心とした一般層は何をやってもビジネスには繋がらないので最初から切り捨てて問題ない。
実際、アメリカだと、
"Yeah, the one in the cage, right?"という声は聞きますからね。
ちなみに、1月のKOTC(King Of The Cage)沖縄大会はイベント終了後にケージの中に入りたい観客は自由に入れるという、UFCではまず考えられない大盤振る舞いっぷりでした。
私も中に入ったのですがマットが全く滑らない素材で出来ており、打倒極のうち、下からの極めを得意としている柔術系の選手には絶対的に不利だと思いました。
そして、よく言われることですが、リングと比べれば圧倒的に「閉じ込められてる」感じが強かった。

わかりやすい説明
ありがとうございます~~
ふむふむと納得しちゃいました~~~
D14の、桜庭選手の
パンツドントムーブはいただけなかったですね~~~
自分も、ケージの中に入りたーーーい!!!
投稿情報: ケーシー | 2010/06/03 04:49
そうそう! あの桜庭戦の訳の分からないストップ・ドントムーブはいただけなかった!
2002年2月14日、横浜文化体育館におけるリングス最終興行での、RJWの矢野倍達対リングス前田道場の伊藤博之戦の時、矢野が圧倒的に差をつけて時間切れとなりました。
しかし、ジャッジ前田日明は10-10をつけたのです。
私は「田村対グスタボ・シムん時といっしょじゃない! そんなことやってっから駄目なんだよ!」と特リンから叫んだのですが、桜庭ーハレック戦のストップ・ドント・ムーブで、あの日の前田のジャッジングを思い出しました。
そしてガンガン、喚き散らしました。
投稿情報: たしん | 2010/06/03 05:17