前編で、坂本龍馬という人物が主役、脇役に関わらず登場する映画を11本、紹介しましたが、一番、有名なのは恐らく1986年公開の「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」でしょう。
中編は私が観たことのある4本を紹介するという流れで書きますが、まずはこの幕末の志士の青春群像から。
龍馬を演じたのは「42年間、坂本龍馬を研究している」龍馬ファンとして名高い武田鉄矢。
憧れのアイドルを演じたという意味において、UFCミドル級王者、アンデウソン・シウバがマイケル・ジャクソンを演じるようなものです。
そして今回、Wikiってみて初めて知ったのですが、脚本も武田鉄矢が「片山蒼」という名義で書いていたのだそうです。
憧れの龍馬の生き様を書き起こし演じた訳ですから、とてつもなく難しくてやりがいのある仕事だったことでしょう。
作中、私にとって凄く印象深いシーンは二つ。
ひとつは武田鉄矢が地面にひざまずき、空に向かって「たけちい〜! なぜ死んだあ〜!」と武市半平太の死を悲しみ泣き叫ぶシーン。
あの武田鉄矢はタダゴトじゃない迫力に満ちており、私はマジであのシーンは役者・武田鉄矢のクライマックスだと思っています。
そして、もうひとつは、武田鉄矢が誰かに語って聞かせる回想のシーンで、土佐勤皇党の舎弟分、阿藤海が演じる沢村惣之丞をいわゆる「春を買う」女郎屋に連れて行った時の想い出。
「女達には目もくれんと生まれて初めて食う米の飯を、こんな旨いもん初めてばい、旨い、旨い、と夢中で食い続けちょってのお。 そんな、あいつが可愛いてのお」
私はこのシーン、この台詞を思い出すと何故か目頭が熱くなります。
この映画のキャスティングは武田鉄矢の龍馬の他、高杉晋作が吉田拓郎、桂小五郎が川谷拓三、伊藤博文が伊武雅刀、そしてナレーションのみながら勝海舟が石坂浩二で、他にも、柴俊夫、竹中直人、原田大二郎、内藤剛志、不破万作、原田美枝子、浅野温子、菊池桃子、南果歩、古尾谷雅人、陣内孝則、大仁田厚、などが出演しています。
ちなみに我が愛読誌・kamiproの最新号のテーマは「幕末」。目次の次の最初のページは一番、有名な坂本龍馬の写真です。
いつにも増して面白い今号の中で特に面白いのが、プロレス・格闘技ファンとして名高く坂本龍馬と幕末にも造指の深い、私が大好きなお笑い芸人の「ビビる大木」と「三又又三」のインタビュー。
そして三又に声がかかった理由が、幕末といえば龍馬、龍馬といえば武田鉄矢、武田鉄矢といえば三又、という物凄い、こじつけ(笑)。
やっぱ、kamiproは最高です(笑)。
私がTashinMMAclothingの広告を打つ予算はないけど読者プレゼントの景品に自社商品のTシャツを提供させてください、とメールを打った時に返事が来なかったのは今だにムカつくけど(笑)、それでも最高。
次は1991年公開の「幕末純情伝」。
この作品は原作が、つかこうへいで「沖田総司は女だった」という設定のファンタジーです。
おもしろいかどうかは別としてかなりカッ飛んだ作品で、私の記憶では作中、踊りのシーンはなかったと思うのですがクレジットに「劇中振付:ラッキィ池田」とまで出てきます(笑)。
女・沖田総司を演じるヒロイン(?)は牧瀬里穂、土方歳三を杉本哲太、坂本龍馬を渡辺謙、近藤勇を伊武雅刀、桂小五郎を柄本明、西郷隆盛を桜金造、岡田以蔵を木村一八、が演じています。
作中、私が「これは龍馬、言いそうだなあ」と思って気に入っている台詞を紹介します。
私の個人的な土方歳三のイメージにピッタリな杉本哲太はちょくちょく、「ドカタじゃねえよ! ヒジカタだあ!」と叫んでいるのですが(笑)、その土方とサシで痛飲したあとの渡辺謙・龍馬が改めて(ちょっと、しんみりと)土方歳三に語りかける時の言い草が「なあ、ドカチン」(笑)。
私は大笑いしたね(笑)。
他のシーンで土方不在の新撰組を訪ねてきた渡辺謙・龍馬の「ドカちゃんはおらんのか?」にも笑いました(笑)。
次は天才・三谷幸喜が脚本を書いた2002年公開の「竜馬の妻とその夫と愛人」。
主役は誰かと言えば、鈴木京香が演じる「おりょうさん」。
物語は龍馬が亡くなって明治が始まり13年、経った時に、おりょうさんの妹の夫、すなわち龍馬のbrother-in-lawにあたる明治政府の役人、菅野覚兵衛が龍馬の十三回忌を催す相談でおりょうさんを訪ねるところから始まります。
ここからは賛否両論が出るであろうところですが、中井貴一、演じる覚兵衛が久しぶりに会ったおりょうさんは実に冴えないカンジの男、木梨憲武と再婚して尻に敷いており、龍馬の生まれ変わりのように何もかもそっくりなニセ龍馬、江口洋介と愛人関係にあります。
坂本龍馬が登場するのはおりょうさんの回想の中のみで龍馬を演じるのはトータス松本。
私の記憶では斜め後ろや横からのアングルでしか登場しなかったと思います。よって、あまり印象に残っておらず、Wikiの坂本龍馬の映画リストで本作のタイトルを見つけた時は「江口洋介は坂本龍馬のそっくりさんとして出ていたのであって、この映画がリストに入っているのはおかしいのではないだろうか」と思いました。
トータス松本の坂本龍馬の存在を忘れていたのです。
作中、おりょうさんという女性は、坂本龍馬という夫の存在を忘れることが出来ず、義理の弟である菅野覚兵衛以外の明治政府の役人達に「積極的に関わりたくない面倒な存在」として位置づけられている人物として描かれています。
最後の4本目は2008年公開の「ボディ・ジャック」で舞台は現代の東京、主役は元・学生運動家/現・広告代理店勤務/酒浸り、の中年、高橋和也。
これは一応、映画ですが限りなくVシネマに近く、低予算で荒唐無稽、もっと言えばチープで無理のある一本です。
大体、1960年代にヘルメットを被って学生運動に没頭していた大学生が2008年に中年になった姿を1969年生まれの高橋和也が演じるのは無理があり過ぎます(笑)。
「南の島に雪が降る」の時よりも無理がある。
そして、高橋和也より確実に年上と思われる奥さん役(調べたら1966年生まれ)が回想シーンの高校生時代にセーラー服を着て登場した時は「これは笑わせようとしているのだろうか? 怖がらせようとしているのだろうか?」と考え込んでしまいました(笑)。
どういう話かというと、成仏できていない人斬り以蔵が現代人をボディ・ジャックして(憑衣して)連続通り魔事件を起こしており、それを阻止するために武市半平太が高橋和也に憑衣して手を尽くす、というもの。
そして生前の姿で岡田以蔵と武市半平太が勝負して武市が負けそうになった時にいきなり登場して武市を救い、以蔵に語りかけて成仏に導くのが坂本龍馬。
笠兼三という人が演じる龍馬はトータルで5分ほどしか登場しません。
私は映画がどうのこうのよりも、この笠兼三という人が笠智衆先生の孫だったというところに一番、驚きました。
この項、後編に続く。

私も小学校3年生の時に「竜馬がゆく」を読んで以来の
坂本龍馬フリークです(^-^;
映像的に一番邪魔だったのが武田鉄也。
「なんでこんなヤツが龍馬を演じるのか?」
強い気持ちは感じますが、それだけにイメージからほど遠い
龍馬に困惑していました。。
知り合いに吉田拓郎のファンがいるのですが
高杉晋作役を吉田拓郎にネジ込むために、ほぼ毎日声をかけてきたそうです。
でもこのキャスティングが、またミスキャスト。。
怒りすら憶えました。
パーマをかけた高杉晋作。。信じられません!
(まぁこの髪型にもいろいろあったみたいですけど。。)
武田鉄也の気持ちはわかるのですが「幕末青春グラフィティ Ronin坂本竜馬」は
正真正銘の駄作だと思っています。
いままでオッ!と思ったのは真田広之位です。
投稿情報: Kazu | 2010/06/01 07:30
え、何?
真田広之版、観たことあんの?
俺は武田鉄矢の龍馬は、演じてる本人の熱意が広く知られていることもあって中々、良かった。
だけど、細切れのシーンは印象に残ってるんだが映画全体のストーリーはよく憶えていない。
そんで、武田鉄矢は良かったんだけど、後に映画専門誌か武田鉄矢の著書で見た写真がちょいとショックで、浅野温子ともうひとりの女性キャストに挟まれるカタチの撮影の合間のスチールの3ショットなのよ。
んで、龍馬が一番、背が低いんだわ。
投稿情報: たしん | 2010/06/01 07:47