私は杉本哲太のファンです。
Wikiの出演映画リストを見ると、私が観たことがあるのは主演、助演、カメオを含めて全部で29作品。
どれか一本だけベストを選べと言われれば、私が敬愛する阪本順治監督の「ビリケン」(1996)がブッチギリです。
他にも、同じく阪本順治監督の「傷だらけの天使」(1997)の田舎の骨太な無頼漢や、
山田洋次監督の「ダウンタウンヒーローズ」(1988)の明るく貧しいバンカラ学生や、
それぞれ作品自体がよかったかどうかは別として、
「人間の約束」(1986)の痴呆の進んだ祖父母をあからさまに厄介者扱いする若者や、
「幕末純情伝」(1991)の超・ハマり役の新撰組・土方歳三や、
「目下の恋人」(2002)の自分の体温で有精卵を孵そうとする、鳥になりたい中年男や、
「恋は五・七・五!」(2005)の急造俳句部の顧問となる気弱、極まりない国語教師や、
「劇場版ナニワ金融道」(2005)のド派手開襟シャツと片手に扇子の金融業者や、
「花田少年史」(2006)の自らの死後、残された最愛の妻と息子の幸せを願う海の男や、
「GSワンダーランド」(2008)のレコード会社の中間管理職的ディレクターや、
「おくりびと」(2008)の家族と旧友を思い世間体を気にする凡庸な中流の中年、
なども素晴らしいと思います。
「僕の初恋をキミに捧ぐ」(2009)などは私にとっては杉本哲太が出演していなければ、まず観なかったであろう一本です。
実のところ私は主演の岡田将生という若手二枚目俳優には物凄く期待しているのですが、タイトルがいかにも「世界の中心で愛を叫ぶ」の大成功以降、雨後のタケノコのように湧いて出た、同じような二番煎じリズムの純愛物タイトルの極みなので、岡田将生という存在だけでは観る気になりません。
杉本哲太が出ていると知ったので観ましたが、個人的好みで作品の善し悪しは全く別として(笑)、岡本将生と杉本哲太の二人は素晴らしかった。
今では、いぶし銀のイメージが強く、硬派で無頼な、ならず者から、生徒達に「あのお、お願いですから、もう少し静かにしてくれませんか」と授業中、お願いする意志薄弱な教師を始め何でもこなす、基本的に朴訥としたキャラクターの俳優として日本映画に欠かせない杉本哲太の銀幕デビューは1983年公開の「白蛇抄」です。
これは小柳ルミ子が31歳で眩いばかりの色っぽいオーラに満ちた盛りの時期の主演作で小柳ルミ子の役は訳ありの過去を持つ、若く美しい寺の後妻です。
その寺の住職、すなわち小柳ルミ子の夫は寝たきりの若山富三郎で、将来的に寺を継ぐことになる十代の終わりの若き修行僧、若山富三郎の一人息子が杉本哲太。
デビュー作でありながらクレジット2番目か3番目だったはずで、大御所・若山富三郎に臆することなく、役に忠実にただの老いぼれ扱いしています(笑)。
杉本哲太は頭は当然、スキンヘッドで袈裟も似合う、いっぱしの若い坊さんの風情ですが若さ故に煩悩だらけで普段はモトクロッサーを乗り回しており、若く美しい継母、小柳ルミ子への滾る想いを抑えることが出来ません。
そして二人は深い仲となります。
とにかく「好きや! 好きなんや!」のゴリ押しの若さを、後先、考えない迸るエネルギーでもって熱演しています。
杉本哲太はもともと、懐かしの横浜銀蝿ファミリーとして芸能界デビューし、嶋大輔とともに八千草薫主演の「茜さんのお弁当」というテレビドラマに不良少年役でレギュラー出演してから広く知られるようになった、要は「ヤンキー・キャラ」です。
そして、リーゼントが売り物だったヤンキー・キャラの杉本哲太が頭を剃り上げて挑んだ銀幕デビューが坊さん役。
私は「白蛇抄」を観たのはリアルタイムではなく私自身が中年になってからですが、撮影当時、17か18歳だったリーゼントのヤンキー兄ちゃんが、ある意味、命の次ぐらいに大事だったかもしれない(笑)髪をバッサリ切って、役作りで頭を剃り上げた、というところに物凄く惹かれました。
私は常々、役の為に丸坊主に出来るのは男性俳優として最低条件だと思っており、長めのスポーツ刈り程度で兵士役のお茶を濁す役者は心の底から「馬鹿じゃねえの!」と思うタチなので、「やっぱ、杉本哲太はデビューからモノが違うね」と感嘆しました。
こんばんわ~~
杉本哲太さんと言えば、ぐりいす(当て字は忘れた)で
デビュー曲は「ぶりっこROK'NROLL」のレコードを
持ってました~~~
レコードと、TVで歌う声がぜんぜん違ってましたね~~
白蛇抄は地上波のTVで見て、お色気ものとして
見ました~~~
あの作品で、イメージががらっと変わった気がしました
投稿情報: ケーシー | 2010/05/16 08:52
Wikiによると「紅麗威甦」となっています。
ケーシーさんはナメ猫グッズもたくさん持っていたことでしょう。
「白蛇抄」は小柳ルミ子の匂い立つような色っぽさとともに、全編を通しての凄く落ち着かない雰囲気が印象的でした。
投稿情報: たしん | 2010/05/16 16:32
「ビリケン」、私も十数年前、レンタルショップで何気なく借りて観ました。私も大好きな作品です。
後日、大阪に出張に行った時、足を伸ばして通天閣に登ってきましたよ。「おお、ここが・・・!」と感激したものです。
そういえば、あの映画の中で、杉本哲太がとんでもなく高い鉄骨だったか、ビルだったかに仁王立ちになり、それをヘリで空撮するシーンが出てきました。かなりアップになったのですが、本人のように見えました。だとしたら、すごい!
投稿情報: オーハ | 2010/05/18 17:06
ラストシーンですね。通天閣のてっぺんでしょう。私も杉本哲太が立ってたように思えます。
赤井英和の番組に出た高田延彦が途中まで登ってエラく怖がってましたから、「このシーンは高田には絶対、無理だな」と思ったものです。
自分が神様であることを立証するために棒アイスを一気食いして当たり棒を出してみせるという発想がどこから出て来るのだろう?と感心しました(笑)。
それと、タクシーの中で岸部一徳に「バラすで〜、浮気バラすで〜」と囁き続けるシーンも最高です。
投稿情報: たしん | 2010/05/18 17:44
なんだか、猛烈に観たくなり、amazonで検索し、注文しました。
この作品、DVD化されていないんですね。
たしんさんのお薦めシーンを確認してみたいと思います。
投稿情報: オーハ | 2010/05/18 18:45
そういうえばレンタル屋でDVDを見たことはないですね。
なるほど、今の時代、DVDで出てない映画はビデオで買うしかない訳だ。
私が敬愛する坂本順治監督は女性を美しく描いた上で硬派な映画を撮る人ですが、「ビリケン」のヒロインの山口智子も綺麗でしたね。
山口智子という人は栃木県栃木市の出身なのですが、私の友人が仕事の関係で山口智子にお会いした時、「この世にこんな綺麗な人がいるものなのか」と見とれたそうです。
唐沢寿明の車もよく見かけたそうな。
ちなみに「ビリケン」においては全編、杉本哲太は裸足ですから通天閣の外を走るシーンとか大変だったと思いますよ。
投稿情報: たしん | 2010/05/18 18:58