世界中の映画館で上映禁止となったために逆に世界的に強く待望され、特にDVDリリースとともに熱狂的に大爆笑されてメガヒットを記録した"BORAT!"というカルト映画があります。
正式には、
"BORAT! Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan"
品行方正、四角四面、真面目で洒落のきかない人達には向かないモッキュメンタリーです。
「モッキュメンタリー」というのは、単純に言ってしまえば「ドキュメンタリー風に作ったフィクション」です。
「嘘っこドキュメンタリー」、「確信犯的ヤラセ・ドキュメンタリー」とも言えるでしょう。
しかし例えば、"Death of a President"や、"Cloverfield"、"Paris 2010 The Great Flood"などはドキュメンタリー風に作られたド・フィクションであることは誰の目にも明確ですが、"The Blair Witch Project"や、古くは"Cannibal Holocaust"(邦題:「食人族」)あたりになると、本当に信じる人が出てきます(笑)。
あれは残ったフィルムが発見されて映画になったのだ、と本当に信じてしまう人がいる、というのは制作側としては「してやったり」の大勝利でしょう。
実際に、"The Blair Witch Project"は、とことん映画製作の方法論が出尽くしたかに思えた中で「こんなのも、あるぜ」と一石を投じてみせた痛快、極まりない才能の提示でした。
私の周りで数人、本当に信じてたのがいましたし(笑)。
「料理の鉄人」の、対決する二人の料理人は、お題の食材を番組冒頭の鹿賀丈史のアナウンスによって初めて知るのだ、と本当に信じていた連中は間違いなくブレア・ウィッチの三人組は謎の死を遂げたと思ったことでしょう(笑)。
そのブレア・ウィッチ以上に「これ、どこまでがヤラセだ?」と訳が分からなくなるモッキュメンタリーがまさしく"BORAT"です。
イギリスのコメディアンがカザフスタンのテレビ・レポーターに扮し、アメリカを横断しながらアメリカという国をレポートしていく内容なのですが、台本は存在せず、ほんの合計四人の本職の役者以外は登場人物すべてが一般人で、ほぼ100%、「ドッキリ」のアプローチで撮影されています。
撮影に関わった人達はカザフスタン人レポーターが実はイギリス人であることも撮影が実はコメディー映画のためであることも一切、知らされておらず、撮影前に「訴訟は起こしません」の書類にサインさせられるだけ(笑)。
しかし、結果的におびただしい数の訴訟を引き起こし、「どこまでがヤラセだったのか」が、はっきりとしていない場面もあります。
とにかく確かなのは、「これは、ちょっとヤバすぎでしょう(笑)!」というレベルで一般人の神経を逆撫でしまくっているので、誰もが「裁判の一つや二つ、そりゃあ起こるだろう」と思うであろうこと。
私の場合、主人公のレポーターが実はイギリス人であることすら最近、知りました。ずっとカザフスタン人だと思っていました(笑)。
先週、高校時代からの友人のN君とH君と飲んだ時、前々から私とN君の二人で"BORAT"を薦めるごとに興味を示しつつも自分でDVDを借りて観そうにはないH君に、私が勝手に一週間レンタルで借りて強引に渡したのですが、H君は返却までに三回、観たそうです(笑)。

映画館で食人族を観た時は本当にビビったもんだ。 オイラなんかは未だに実際に起こった事なのだと信じているよ♪
投稿情報: ヒロちゃん | 2010/04/07 14:59
映画館で「食人族」って、誰と行ったのよ(笑)?
"God must be crazy"(邦題:「ブッシュマン」)も、あの頃のモッキュメンタリーですね。
投稿情報: たしん | 2010/04/07 15:21