菅井きんという人は2008年公開の「ぼくのおばあちゃん」という映画で82歳で「世界最高齢主演女優」としてギネスブックに認定されました。
しかし、この記録は正しくは1987年公開の"The Whales of August"で93歳で主演したアメリカのリリアン・ギッシュという女優のものであり、菅井きんが保持する記録は正しくは「世界最高齢初主演女優」となります。
この記録が物語るのは、菅井きんという人が日本映画界で長きに渡って「庶民的オバさんの名脇役」であり続けているということです。
「ぼくのおばあちゃん」では、さすがにお年を召した印象が強く、特に足が随分と細くなられたな、と私は感じましたが、この菅井きんという人はどれだけ記憶を遡っても常にオバさんです。
私が中学生ぐらいの時にビートたけし主演のテレビドラマで、たけしが、当時、既にオバさんというよりお婆さんのイメージだった菅井きんに対し、「きん!てめえ、この野郎!」(役名が「きん」な訳ですね)を連発し、菅井きんも「何だい、うるさいねえ」などと返していたのが強烈なインパクトでした。あれは禁断の笑いだった(笑)。
私の記憶の中で一番、若い菅井きんの出演作というのは学生時代にビデオで観た黒澤明監督の傑作、「生きる」(英題:"Ikiru")ですが、1952年公開のあの映画の中で菅井きんは既に立派なオバさんです。
私は役場に陳情するオバさんの一団の中の菅井きんを見つけた時、「うわ、こんな古い映画で、もうオバさんだ」と思いましたから。
それでは一体、菅井きんは、あの「生きる」の時点で一体、おいくつだったのだろう?と思ってWikiってみたら、なんとなんとなんと、26歳!
26歳で既にオバさん!
私がフィラデルフィアの日本食レストラン勤務だった時、たまに食べに来るお客さんで日本人留学生の女性がいました。
彼女は20代前半にして、「姑の顔」をしていました。「姑の顔」って、どんな顔だ?と訊かれても言葉で説明するのは難しいのですが、最近の日本の言い回しを使えば「ドS顔」ということになります(笑)。彼女の来店の度に私は「相変わらず、若くして姑の顔だ」と心中、唸っていました。
そして、彼女を見る度に「こんな古い映画で、もうオバさん」と驚いた菅井きんを思い出したものなのです。
菅井きんという俳優は脇役とはいえ、かなり強く印象を残すキャラクターだと思うのですが、Wikiの出演作一覧を見ると、私が作品自体を観ていながら菅井きんの登場を全く憶えてない映画がかなりあります。
特に「生きる」以外の黒澤作品は一本も憶えておらず、作品としてはかなり強烈な印象が残っている1974年公開の「砂の器」での配役も憶えてません。
むしろ憶えている方が圧倒的に少ない中で、極私的菅井きんのベストは何と言っても伊丹十三監督のデビュー作「お葬式」です。
「お葬式」で宮本信子の母、すなわち、お葬式で送られる亡き夫に生前、苦労させられた未亡人を演じる菅井きんのお葬式の最後の長回しの挨拶のシーンは、菅井きんの菅井きんたる最高のパフォーマンスだったと思います。
昨日コメントしようと思ってたんやけど。っていうか、この「姑顔」の人、はSちゃん?気になるぅ。私はいつもこの人の事、菅井きんそっくりやんって思ってたから・・・。
投稿情報: りりー | 2010/03/03 05:54
いや、名前も知らない、俺より15歳ぐらい年下の人。背は高かった気がするね。
そのSちゃんていうのが誰かも分からない(笑)。伏せ字かヒントか、問題あるなら俺のメールアドレス直通で教えてちょうだい。逆に俺が気になるから(笑)。
彼女の姑の顔の決め手はキリキリに細く整えた眉毛だったと思う。
そういえば、だんなさんが去年の夏のチャイナタウンでの晩飯をすっぽかしたKさんのメールアドレスを見つけたっつって送ってくれたんだけど、「全く興味ない」って返信して消しちったよ。
投稿情報: たしん | 2010/03/03 07:09