かつてジャイアント馬場が四十代になった時、アントニオ猪木は「プロレスたるもの、四十を過ぎて出来る筈のものではない」と揶揄しましたが、自分も結局、五十代まで現役を続けました。
猪木の引退は1998年ですが、プロレスラーの高齢化はどんどん進み、現在、五十代のプロレスラーはさすがにまだ少数派ですが、45歳は珍しくなくなりました。
私はプロレスにさほど、くわしくない友人知人から「これまでで最強のプロレスラーって誰?」と訊かれると、「年齢的なパウンド・フォー・パウンドで、日本人なら天龍だろう」と答えています。
プロレスをよく知らない人がパウンド・フォー・パウンドという言葉を知っている可能性は極めて低いのですが、要はこれまで日本プロレス界に君臨したトップどころ全員を同じ年齢として想定して比べれば天龍がナンバーワンじゃないかということです。
しかも、これは設定年齢を高くするほど天龍最強がより確かになります。
50歳の時点での設定なら間違いなく天龍でしょう。
しかし、こういう設定を設けると、ごくごく単純な答えを求む、くだんの質問に答えていることにはなりません。
という訳で、「実年齢に見合った衰えを見せない」という点で間違いなく唯一無比のナンバーワンであるのは天龍です。
では、その天龍源一郎は今、何歳か?
なんとなんと、先月2月2日をもって60歳です。
日本プロレス界の現役最高齢記録というのは2004年に引退したラッシャー木村が持つ61歳と10ヶ月だそうです。
その昔、試合らしい試合をしていたようには見えなかったミスター珍というプロレスラーが現役最古参レスラーを名乗っており、正式な引退はしないまま62歳で亡くなりましたが、これは認定外の扱いのようです。
というよりも、最後に試合をした時の年齢をラッシャーに抜かれたのでしょう。
そして、現在、力道山の次男、1948年9月生まれの百田光雄が、今年の7月まで現役を続ければラッシャーの記録を抜く、と張り切っています。
しかし、こう言っちゃあ何だが、百田が全日の前座の癒しエンターテイメント路線で「ファミリー軍団対悪役商会」をやっていた頃、世代的に変わらない天龍はまだまだ現役第一戦で各団体のトップ達と凌ぎを削っていましたから、これから先、百田がどれだけ現役を続けようとも、百田引退の17ヶ月後に天龍がサクッと記録更新するでしょう。

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