フランシス・フォード・コッポラの娘、ソフィアの、短編を除いての映画監督二本目、"Lost in Translation"は全編、日本での撮影ですが、あらゆる日本語の台詞に英語字幕を全くつけない、という野心的な作品でした。
一本目の"Virgin Suicide"に比べれば、単純に明るく、大笑いのシーンもかなり多いので、私にとっては良い意味で期待を裏切られた人間臭いコメディー・ドラマです。
そして、主演がBill MurrayとScarlett Johanssonですから、私の好み直撃です。
ただ、カヴァーデザインはスカーレット・ジョハンソンが傘をさしているパターンよりも、ビル・マーレイがガウン姿で「ほげっ」と座ってるパターンの方がずっと好きです。
さて、ビル・マーレイの役は、ボブ・ハリスという名のハリウッドの有名な中年後期の俳優で、日本にサントリーの高級ウィスキー「響」のCM撮影のために滞在しているという設定です。
スチール撮影のシーンはカメラマンが怪しい英語を駆使して撮影を進めていき、これもかなり笑えるのですが、テレビCMの撮影ではディレクターのダイヤモンド・ユカイ(田所豊)が日本語で演出の注文を出し続け、英語の字幕は出ず、通訳のお姉さんが通訳として機能してない単純な意訳でボブさんに伝えます(笑)。
こんなカンジ。
ディレクター:
「ボブさん、これは響なのよ、響。サントリーの中で一番、高いウィスキーなの。だか ら、その辺のね、高級感みたいなもんをね、ボブさんの説得力とか余裕とかで醸し出し てほしい訳よ。奥行きとかさあ。とにかく、響なんだから。」
通訳:
"Look at the camera intensely."
ボブ:
"..... Didn't he say some more?"
まったく通訳になってねえよ(笑)という面白さが抱腹絶倒ものですが、これはボブさんが「もうちっと喋ったんじゃないの?」と突っ込んでいるから救われます(笑)。
しかし、若山富三郎が、引退した京都の伝説の彫り師を演じている「雪華葬刺し」(せっかとむらいざし)という1982年の映画はシャレになりません。
この映画はアメリカで、"Irezumi"というタイトルで配給されていますが、英語字幕が目茶苦茶、適当で、ネタとしては相当、笑えます。
一番の手抜きが、
「わしも、もうトシやさかい、この先、そう長いこと、あらしまへんやろ」
の字幕が、
"I will die soon."
作中、誰か突っ込むヤツがいる訳でもないので、私は「そんだけかーい!?」と叫びましたよ(笑)。

コメント