格闘技にあまり興味のない人には縁のない言葉ですが英語で"Pound For Pound"という表現があります。これはとても重要な格闘技用語なので、ぜひとも憶えてください。
格闘技は基本的に競技に関わらず体重で階級分けされています。スーパーヘビー級と無差別級の二つはプロでは全くまともに機能していないので除外すると、ボクシングで全17階級、MMAではアメリカの統一階級が7階級あります。
そして、この体重による階級をとっぱらった状態、全員、同じ体重だったら、とする考え、コンセプトがパウンド・フォー・パウンドです。
例えば、ヘビー級のウラジミール・クリチコとフライ級の亀田興毅、ヘビー級のバダ・ハリとミドル級の魔裟斗、ヘビー級のエメリヤーエンコ・ヒョードル対ライト級の青木真也、などが、同じ体重であったとして、もし戦わば、と勝敗を予想するのが「パウンド・フォー・パウンド」です。
そしてパウンド・フォー・パウンドの考え方で最強とされるファイターは
"The Best Pound For Pound Fighter" ないしは
「パウンド・フォー・パウンド最強」
と呼ばれます。
そして、ここ数年、ほとんどの格闘技メディアから、その称号を与えられ続けているのが現UFCミドル級王者にしてライトヘビー級戦でも2戦2勝2・1R,KOのアンデウソン・シウバです。
アンデウソンの現在までのMMA戦績は25勝4敗、現在11連勝中、ハワイでの岡見勇信戦で不運な反則負けを喫して以降、この秋に予定されている次戦まで約3年半勝ちっ放し、UFC参戦以降はUFC連勝記録を現在、10で更新中、UFC戦績10勝中9試合でKOかTap Outの一本勝ち、とモノ凄い数字が叩き出されています。
しかし、私はこれまで、アンデウソンのパウンド・フォー・パウンド最強説には90%賛成でしたが、残り10%で「ヒョードルがいるし」と思っていました。
私がアンデウソンを支持しきれないのはキャリア4敗中の3試合を観ているからです。残りの一敗はデビュー戦のルイス・アゼレード戦ですが、アゼレードの敗戦も結構、観ているので、手放しでアンデウソン最強!とは言えないところがあった訳です。
さらに60億分の1、ヒョードルのこれまでの唯一の敗戦、2000年12月のリングス第二回KOKトーナメント予選Bブロック2回戦でのドクターストップ負けも観ています。あの試合は本当の意味での負けではないと私は思ってますから、余計にヒョードルのパウンド・フォー・パウンドに心が傾く訳です。
しかし! 8月8日、フィラデルフィアのUFC101での対フォレスト・グリフィン戦の、圧倒的現実を叩きつけてみせた圧倒的強さを目撃すれば、自分が、いかに過去のアンデウソンの敗戦イメージに捕われて現在進行形の進化に追いついていけてなかったかを強烈に実感しました。
人間は変わる。成長する。
今のアンデウソンは「一流の中の一人」であった過去のアンデウソンではない、「唯一無比」のパウンド・フォー・パウンド最強であると私は認めます。現在の私のアンデウソン支持にヒョードルが追いつくには平均年間試合数を「3」に持ってくことだけど、これは正直、相当、厳しいので、ゲガール・ムサシが先に昇って来るでしょう。
これから先、アンデウソンとゲガール・ムサシが連勝街道の行く末でライトヘビー級世界一を懸けて世紀の対戦!とかいうことになったら、俺、マジでどうなっちゃうか分っかんねえよ(笑)。
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