我が街、フィラデルフィアは実に数多くの映画の舞台になっています。
ナンバーワンは何といっても"Rocky"でしょう。
フィラデルフィアとロッキーほど「この街の代表は、これ!」という、街と映画の密な関係はないのではないでしょうか?
ニューヨークと"Taxi Driver"、シカゴと"The Blues Brothers"の二本がかなり濃い関係ですが、フィラデルフィアとロッキーには及ばないでしょう。
"Miami Vice"は映画も二本あるけど基本的にはテレビ・シリーズですから除外しましょう。
番外編で、宇都宮と「遠雷」というのもあります(笑)。
さて、フィラデルフィア代表、Rockyですが、シリーズ最終作、"Rocky Balboa"(邦題は「ロッキー・ザ・ファイナル」)のロッキーの入場ガウンの袖には実在するフィラデルフィアの老舗魚市場のロゴが入っています。
ちなみに我が子が通うフィラデルフィアの小学校はロッキーの早朝のロードワークの頭でロケに使われ、最終作でもロッキーが店の仕入れで食材を買っている辺りと目と鼻の先の距離です。
そして、倅が空手を習っている道場は、一作目でロッキーがミッキーに怒鳴られながら汗を流すジム、まさにあの物件なのです。
ロッキーのロードワークのシーンは全てフィラデルフィアでのロケですが繋ぎ方でいえば順撮りではありません。位置や方角を考えると「これ、もしこのまま走ったら、とんでもねえ距離だな」というのが地元の人間の共通の感想です。
ロードワークの最終地点、Philadelphia Art Museumで人々が正面階段を三段飛びで駆け上がって天高くガッツポーズをするのは殆ど生理現象のようなものでしょう。
場所はどこであれ、作曲家、Bill Contiによるテーマ曲、"Gonna Fly Now"を耳にすれば気分の高揚を止めることが出来ないのも私だけではないハズです。
私はロッキーとエイドリアンがお付き合いを初めてからミッキーがロッキーに忠告する台詞、
"Women weaken legs!"(女は足に来る)
を聞いた時、この表現のニュアンスにおける万国共通っぷり、さらには国籍、違えど同じ人間の業を強く感じて変に嬉しくなったものです。
アメリカン・ドリームの象徴として語られる"Rocky"ですが、シルベスター・スタローンにとっても自らの力で掴み取った大いなるアメリカン・ドリームでした。
ろくに台詞ももらえない大部屋俳優の一人だったスタローンが、誰がどう考えてもモハメド・アリに勝てる訳がないと言われたチャック・ウェップナーの大善戦に刺激を受け、ロッキーの脚本を三日で書き上げます。
そして、かなりの高値がついた脚本の契約に際して、とにかく自分を主演で使うことにこだわり、結果、脚本料をタダ同然まで下げて主役の座を掴み、アメリカを代表する名作の主演スターとして銀幕の歴史に名を刻みました。
ロッキーがアポロとの激闘後、リング上でエイドリアンの名を叫び続けた会場、フィラデルフィアの"Spectrum"は今秋、取り壊されます。取り壊しの瞬間、我々フィラデルフィアンはイタリアの名画、"Cinema Paradiso"(邦題:ニューシネマパラダイス)のラスト近くの映画館の取り壊しのシーンのようにこうべを垂れることでしょう。

ロッキー・フィラデルフィアにはかなわないけど、おらが街はトップガン・サンデイェゴだな。
ローカルゆえに、私にはあの映画の場面場面の空気の感触(肌感覚)が分かります。いまだにあのビーチバレーのシーンはどこで撮られたのかが分かりませんが。
投稿情報: マック | 2009/08/19 06:36
いや、俺もさ、ニューヨークとシカゴに続けてサンディエゴとTop Gunも書こうかと思ったのよ、一瞬。
だけどTop Gunていう映画自体、俺にとっては物凄く下らなかったので、やめた。
トム・クルーズとて、パート2のオファーがあった時、「ああいうのは一回だけのもの」と断ったらしいから、やっぱ賢い。
M君だったら「何が悪いねん!?」と怒るだろうけど。
投稿情報: たしん | 2009/08/19 12:58