今回のネタは、菊池桃子の銀幕デビュー第2作、「テラ戦士ΨBOY(サイボーイ)」(1985)以来、映画というものを観ていないという世にも珍しい御仁、南カリフォルニアを代表するアイドル文化の発信塔、「紅白幕足四の字」の執筆者、みおりんに捧げます。
菊池桃子というヒトは私と同学年のアイドルなのですが、一つの言い方としては「我々が」中学三年の時に学研が満を持して世に送り出した超大型の隠し球なのです。
菊池桃子の銀幕デビュー作は「パンツの穴」(1984)ですが、この「パンツの穴」というのは学研の月刊誌「BOMB!」(ボム)の名物投稿コーナーです。
ボムというのは少年誌でも漫画雑誌でも青年誌でもなく、当然成年誌でもなく、どういう連中が読むのかというと中学・高校の「思春期ド真ん中」のヤローどもです。
「アイドル誌」という言い方でも間違いではありません。「平凡」と「明星」を女性アイドルだけにして判型を小さくして下世話な方面もカバーすればボムになると言えましょう。
私が毎月、買って読んでたのは中学二年の三学期から高校一年の一学期のあたりでした。小学生の頃から親に隠れて購買していたみおりんはあっぱれなガキです。さすが六本木育ち。
さて、「パンツの穴」というボムそのものの定義とすら言える人気コーナーは読者が虚実、織り交ぜて、すなわち実体験とデッチあげの両方をもって、ノンフィクション風、小説風、日記風、回顧録風、手紙風、独白風などの自由な手法で書いて送ってくる「作文」掲載のページです。
毎月どのぐらいの投稿があったのか知りませんが掲載されるのは編集部に秀作と認められた3,4人です。
中には滅茶苦茶、筆の立つヤツもおり、かなり楽しめました。
「400字詰め原稿用紙何枚以内」という応募形式だったはずです。
映画化の際には「パンツの穴」のエッセンスが盛り込まれたオリジナルの脚本が書かれたので一般的な原作とは趣きが違います。「極道の妻たち」と同様です。
映画の「パンツの穴」が公開されたのは1984年3月17日でモロに春休み映画です。中学三年生達の悲喜こもごもの物語。
私は中学卒業と高校入学の間の平々凡々とした日々の一日、中学の友人達と6,7人で出かけました。
私の記憶では横山やすし主演で息子の木村一八も生徒役で出演している「ビッグマグナム 黒岩先生」と、あともう一本の三本立てだったはずです。
当然ながら、公開に先がけてボムの誌上では何度も特集が組まれ、ボムの読者はほぼ100%、劇場に足を運んだことと思います。
その前フリ特集にて「我々がこの映画のために温存していた秘密兵器」として「このコが主役のヒロインだ!」と紹介されたのが全国のボム読者のヤローども全員が「お〜〜〜」と感嘆の声を上げたに違いない美少女、菊池桃子でした。
菊地桃子の芸能界デビューというのは前年1983年11月の学研の「Momoco」というアイドル誌のイメージガールとしてです。
ここで重要なのは菊池桃子という名前は本名であるというところ。
要は学研は新しく創刊する「Momoco」というアイドル誌のために菊池桃子を起用したのではなく、菊池桃子という人材を獲得したことによって「Momoco」を創刊したのだということです。
それほどの大物、それほどの美少女であったということ。
そして、Momocoでの菊池桃子というのはあくまでも雑誌のイメージガールですから写真のみの存在であり、「動く姿」と「声」が初披露されたのは映画「パンツの穴」なのです。
レコードデビューは映画公開の後で、Wikiによれば1984年度のブロマイド年間売り上げ一位。
Wikiにはボムの表紙を飾ったアイドル達の年表まであるのですが1984年に菊池桃子は3回も表紙になっています。
他の9ヶ月が9人一回ずつであることを考えればかなりの大人気/大プッシュっぷりです。
ちなみにラフィン・ノーズの「イースター」(1988)という本に書かれているのですが、ラフィンのリーダーのチャーミーがメジャーデビューのレーベルをVAPに決めた理由はVAPで一番、売れているのが菊池桃子だったからです。
「俺らパンクスやけど、メジャーからデビューすんねんから、インディーズの方法論やったらあかん。菊池桃子を売り出したように俺らを売り出してもらおうやないか」という趣旨でVAPに決めたそうです。
ちなみに当時の私にとってVAPといえば一にも二にもプロレステーマ曲集でしたが(笑)。
さて、「パンツの穴」の監督は鈴木則文で、この人はとにもかくにも菅原文太の「トラック野郎」シリーズで有名な監督です。
そして、kamiproの変態座談会の映画特集で語られ、私の映画好きの友人のN君に語られているように今じゃ到底、考えられない公共道徳に反する表現をバンバン撮ってきた監督です。
実は今回、この頁を書くにあたって「パンツの穴」で検索をかけたら1:51:33の丸ごと一本を無料でフル再生できるリンクが出てきたので実に約28年ぶりに観てみました。
そして、当時は「こんなのを観てると親にバレたらヤバいな」と思ったはずですが、今回は「こんなの、自分の子供にゃ見せらんねえな」と思いました(笑)。
出演者に関しては私の記憶では一番の大物は声のみの出演の武田鉄矢だったのですが、他にハナ肇と井川比佐志も出ています。
ハナ肇は既に亡くなっていますが他にも他界されている上田馬之助とたこ八郎が特別出演しています。
そして、こちらも私と同い年アイドルである武田久美子も出ています。
冒頭のキャストクレジットで目にとまったのが豊原功補で、「え? 何の役で出てんだ? やっぱ不良か?」と思ったらやっぱり不良役でした(笑)。声も顔も全く変わってません(笑)。
ちなみに1980年代前半という時代を象徴する数々のアイテムの中で一番、私がウケたのは「ボーリング・シャツ」です。

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